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紀北の旅 紀行文2005
優しさとまんぼうにあえた旅
小学3年 川嶋 健太

紀伊長島 「あっ、道の駅や。入ろか。」
食いしんぼうの母がさけびました。やっと、食べ物にありつけそうです。緑の三角屋根、道の駅「紀伊長島まんぼう」を見つけました。 今年の春休み、ぼく達家族は、伊勢志摩からの帰り紀伊長島に立ちよりました。伊勢自動車道「勢和多気」インターチェンジから、父は、ひたすら、山道の続く国道を走らせました。伊勢のホテルで朝食をとったきり、ぼく達は、腹ペコでした。道の駅「まんぼう」を見つけたときは、砂ばくで水を発見したようにうれしい気持ちがしました。 
 しかし、昨日の青空がうそのように外は、どしゃぶりで気温も冬並みです。車を下り、急いで中に入ると、食欲をそそる魚を焼く香ばしい香がぼくの鼻をくすぐりました。
「これ、食べてーみいなー。まんぼう、食べ たーことあるかあ。どえらいおいしいで。」店のおばさんが熱いお茶といっしょに、まんぼうの串焼きの失敗したのをサービスしてくれました。一口、まんぼうをほおばると、おばさんのように、優しい味がしました。ぼく達家族の冷え切った体は、熱いお茶とおばさんの温かなもてなしで一気に温まりました。 まんぼうは、「海ののんき者」と呼ばれるくらい、おとなしく、温厚な魚です。まんぼうは、紀伊長島地区の魚で、町の人々は、好んで食べているそうです。ぼくは、このおばさんも、心優しいまんぼうを食べているから旅人の心をなごませることができるんだなあと思います。
 「まんぼうの駅」で、ぼくは、おなかも心も満腹になりました。都会では、味わえない真心にあうことができたのです。
「気をつけて帰りーなあ。また来てえなあ。」道の駅のおばさんの優しい笑顔です。
「おばちゃん、また来るよ。待っててよ。き っと、約束げんまん。」

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