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世界遺産登録
世界遺産登録と熊野古道
2001年7月30日(月)に尾鷲市で行われた勉強会の内容をもとに、世界遺産登録と熊野古道の関係についてご紹介します。

「紀伊山地の霊場と参詣道」について「参詣道」としての熊野古道について世界遺産の有効活用をどう考えるか林業との関係は?

◎「紀伊山地の霊場と参詣道」について
2001年4月6日、世界遺産登録のための暫定リストに登載されました。
種別としては文化遺産の「建造物群」と「遺跡(文化的景観)」に分類されます。
三重県内の熊野古道(伊勢路)については、「遺跡(文化的景観)」という側面が注目されます。
(概要)
紀伊山地の高野山と熊野三山及び吉野・大峯及びそこに至る参詣の道は、古代から日本の宗教・文化の発展と交流に大きな役割を果たしてきました。自然崇拝に根ざした神道と中国から伝来した仏教が育まれた土地であり、神仏習合という日本固有の宗教観の形成に大きな影響を与えた地です。
これらの霊場に至る参詣道(巡礼路)も信仰の拡大とともに整備され、周辺の文化的景観とともに当時の状態が維持されています。また、霊場と参詣道が今なお連綿と民衆の中に息づいている点も貴重なのです。

  「文化的景観」とは?
  人間と自然環境との共同作品といえる景観。分類上は文化遺産であるが、文化遺産と自然遺産との中間的な存在。
 
1. 人間によって設計され創り出された公園や庭園などの景観
2. 有機的に進化してきた景観
3. 自然的要素が強い宗教的、芸術的或いは文化的な事象に関連する景観

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◎「参詣道」としての熊野古道について
紀伊山地の霊場と参詣道 全体「参詣道」としては、大峯奥駈道(奈良県)、伊勢路(三重県)、中辺路、小辺路、大辺路、高野山町石道(和歌山県)があります。伊勢路には本宮道も含めて考えることができ、その現況から以下のように分類できます。
 往時の古道の幅員や石畳などの施設及び周辺環境が残り、今も道として機能しているもの。
 道路機能はすでに失われている(た)が、往時の古道の様相が伝わる道。
 農村、田園または森林景観とマッチし、幅員など、比較的往時の形状を伝える未舗装の道。
 舗装された道だが、旧街道を彷彿とさせる家並みが残る道。
 農・林道や生活道路等として拡幅あるいは舗装され、旧状の失われた道。
 現在国道等、車道として景観が変わり、旧状を図り知ることができない道。
 本来古道があったと推定されるが、区画整理等でまったく痕跡が残っていないもの。

熊野古道の全てが世界遺産に登録されるわけではありません  については、遺産としての価値はありませんからね。
道を細かい部分にわけて、それぞれの部分について分類します。

  対象物件は「道」ですが、道そのものを含めた文化的景観を指しています。具体的には、つぎのようなものも含まれるのです。
 
古道沿いで往時の様子を彷彿とさせる周辺景観(伝統的建造物群、信仰対象となった場所)
浜の道であった七里御浜街道
川の道であった熊野川

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◎世界遺産の有効活用をどう考えるか
 ★1 世界遺産は文化財としての価値を失わないように守らなくてはならない。
これはもう、大前提ですね。文化財としての価値・世界遺産にふさわしい価値を守ってこそ、有効活用ができます。

さて、どうやってその価値を守っていくのでしょう?
定期的な現況報告の義務(モニタリング)
  定期的に報告をしますが、その内容によっては「危機遺産リスト」(※)に入ってしまいます。
  ※価値滅失の危機に陥った世界遺産に対し,国際的な援助・協力をおこなうためのリスト
観光乱開発・ゴミ問題
  観光のための乱開発で価値が失われては観光客も来ません。
  また、ゴミが捨てられることによって、遺産としての価値が大きく損なわれます。ゴミ問題は古道を歩く人とともに、地元の林業者など山で働く人についても問題になります。
  これらの問題は、継続して呼びかけていくことによってみんなに意識を持ってもらう必要があります。

 ★2 世界遺産の活用は、地域のなかで考えるのが大切
世界遺産を有効に活用するためには、地元の人々の力が重要になります。
保全・修繕などの費用は行政側で出すことになるでしょうが、うまく利用して地域活性化につなげるには、地元の人々の活動が欠かせません
もちろん、世界遺産ですから海外からのお客さんもいるでしょう。そういったお客さんを迎えるためには、国際的な感覚、語学力も必要になってきます。
エコツーリズム、カルチャーツーリズムなど、日本ではまだまだ定着していない考え方も、国際的には一般的と言われます。

 ★3他の文化財とのネットワーク
地域の中には、熊野古道以外にもいろんな「いいところ」(売り)がありますよね?そういった地域内の「いいところ」と熊野古道をどのように結びつけていくか?うまく結びつければ、より地域活性化につながるはず。
「いいところ」は誰が知っているかといえば、やはり地元の人です!自分たちの地域の魅力を掘り出して、うまく熊野古道と結びつけていくことが求められてくるでしょう!!

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◎林業との関係は?
熊野古道(伊勢路)の大部分は山の中にあり、その山の多くが個人の所有です。「尾鷲ヒノキ」ブランドを作る林業者の方が多い、林業の盛んな地域なのです。
また、東紀州地域のスギ・ヒノキ林は、熊野古道の風景の一部でもあります。
世界遺産に登録されると、熊野古道及びその周辺地域は景観保護という形で、開発などが制限されます。文化財としての価値を守るためには、必要なことです。
では、東紀州地域の代表的な産業「林業」はどうなるんでしょう?

馬越峠
すばらしいヒノキ林の中を、見事な石畳が続く馬越峠

  まず、熊野古道は白神山地(ブナ原生林)などの自然遺産ではないため、木を伐採することがダメというわけではありません。
林業も熊野古道の風景の一部であり、文化的景観の一部と言えるでしょう。つまり、世界遺産に登録されたとしても、林業は基本的には続けられるものと考えられます。

コア・ゾーンについては、場所によっては木が石畳道を壊すなどの悪影響を与えることもあり得ます。コア・ゾーンは通常、国指定文化財として「文化財保護法」によって保護されるため、木の根っこが延びて石畳を壊すような状況が予想される場合などを除いて、現状の変更は原則的に禁止されます。
もっとも、コアとなる部分はほとんど道路面でしょうから、実際には林業への影響はあまりないでしょう
また、バッファ・ゾーンについてはそれほど強い規制は必要なく、伐採について届出が必要になるなど、緩やかな規制になるでしょう。
どちらにせよ、林業が熊野古道にとって文化的景観の一部である以上、林業経営ができない状態にはならないと考えられます。

不振にあえいでいる林業ですが、熊野古道が世界遺産登録されたときには、文化的景観の一部として残されていって欲しいですね

  県の考え方、国の考え方などいろいろなレベルで考え方が異なることもあり得ます。今後の調整が必要と言えるでしょうが、林業がまったく出来なくなることはないと考えられます。
※ 2007年7月現在、バッファゾーンにおける木材の伐採については、各市町の景観保護条例によって、事前届出が義務付けられています。あくまで届出であり、伐採が出来ないわけではありません。

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